北高卒業生の流儀

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全てのものが楽器

多岐に渡る分野との共同研究を推進している。スペイン、ガウディのサグラダファミリアの鐘の音をシミュレーションして、世界初、その音を実現する金属製の鐘を試作。また、バイオリンの名器ストラディヴァリウスと車のマセラティのエンジン音の共通点を発見した。

「快音」の付加価値に着目

音は人間の五感の一つ。音が人に与える心理的作用は大きく、物の印象や性能を見た目に合った音で判断したり、実感したりする人も多い。例えばカメラのシャッター音、ドアを閉める音、トイレの洗浄音など。企業から相談を受けることが多く、最近ではエアコンの風音で心地よい体感温度で省エネ,知的生産性の向上,高級感の演出などの研究も。

騒音を低騒音にすることから価値のある「快音」へ。現代は、商品の性能が横並びの場合、音で付加価値を創り出す時代。よりパーソナルな快音をめざした機能性音響空間「スマートサウンドスペース」の研究なども。快適に聞こえる音には年齢差や個人差があるので、究極的には個人に合わせた音にチューニングすることが理想だ。

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人、社会にどんな貢献ができるか

世の中のために音を使って何かできないかと考えている。一つは子供。いじめ問題を、音を用いて何かサポートできないだろうかと。また、医療関係などで音を活用し、音で人を快適にさせたい。病院や避難所の大部屋を音響的に区切ってストレスを下げるなども考えられる。音で愛の手を差し伸べたい。

プロフェッショナルとは・・

絶えず研究の種を考え続けること。現状に満足せず、問題意識を持ち続け、改善を目指すこと。

戸井 武司(11期) 音響システム工学博士

中央大学理工学部教授。2004〜2005年ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)客員教授。感性を考慮した快音設計、快適な音環境創造や機能性音響空間「スマートサウンドスペース」に関する研究などに従事。著書に「トコトンやさしい音の本」(日刊工業新聞社)など。
中央大学音響システム研究室のホームページはこちら
越谷北高校在学中のニックネームは「戸井先生」。

取材・撮影:石井真弓(写真家・文筆家 越谷北高卒業生)

この「北高卒業生の流儀」では、海外で、日本各地で、それぞれの分野で日々格闘する北高卒業生のプロフェッショナルたちをご紹介してまいります。同窓生の中で、紹介したい方がおられましたら「お問い合わせ」よりどしどしお知らせください。自薦・他薦どちらでも受付いたします。